東京都公立中高一貫校について知ろう!
都立中高一貫校について
中学・高校一貫の教育を通じて、「学力・個性・創造性を伸ばす」「グローバル人材を育てる」ことなどを目的として、設置された学校です。
平成17年4月に白鷗中学校が設置されたのを皮切りに、現在では東京都内に10校の都立中高一貫校があります(千代田区立である九段中等教育学校を除く)。その10校のなかでも、次の二種類に分けられます。
なお、以下では都立中高一貫校のことを「都立中」と呼ばせていただきます。
・中等教育学校
高校からの入学者なし。前期課程3年と後期課程3年、計6年間の一貫教育。
小石川中、桜修館中、南多摩中、立川国際中、三鷹中の5校。
・併設型(=高校附属中学校)
高校からの入学者あり。中学からの入学者は高校入試受検が不要の、6年間の一貫教育。
白鷗中、両国中、富士中、大泉中、武蔵中の5校。
二種間での大きな違いは、高校からの入学者の有無です。
カリキュラムや教育課程は学校によって様々で、グローバル教育に注力しているところもあれば、フィールド学習を積極的に行っているところもあります。もちろん部活動もあり、各大会などで素晴らしい結果を残している学校もあります。
その独自の教育課程の成果から、東京大学の推薦入試合格者が出るなど、国公立大学や私立難関大学への合格実績も伸びています。
都立中への入学について
都立中へ入学にするために必要となる大きな要素は、次の二つです。
・適性検査
適性検査Ⅰでは作文が出題されるなど国語力を問うもの、適性検査ⅡとⅢでは算数・理科・社会の総合応用力を問うもの。(適性検査Ⅲは各校の判断で採択されるので、出題されない学校もあり)
小学校の学習範囲を超える出題はなされない。
・報告書
小学校5年生~6年生2学期分までの通知表の評価を点数に換算し、学習態度や理解度をはかるもの。小学校の担任教諭が記入する。
公立中高一貫校の入学適性検査は、記述問題が大半で、論理的思考力や記述力を問われるものとなっています。
いわゆる一問一答形式の問題はほとんどなく、私立校の入試問題とも毛色が異なるので、初見すると手をつけづらいようにも思われるかもしれませんが、記述問題に対応できる力をつけておくことは、将来を見据えても必ず有効になってくるはずです。
また、特に上位校を中心に私立中学校でも記述問題が出題されるようになっているので、都立中を狙った対策をしているからと言って、私立中との併願が全くできないということもありません。反対に、都立中のような適性検査型試験を課す私立中校も増えてきています。
倍率について
大学への進学実績も伸ばしており、私立に比べ学費が安いことでも人気の公立中高一貫校ですが、年によって多少の増減はあるものの倍率が全体的に減少傾向にあります。
2020年度より、小学校での英語必修化、大学入試センター試験から大学入学共通テストへの移行など、日本の教育の様々な部分が変わることになっています。
特に大学入試は、記述式問題の増加や英語は民間試験が導入されるなど、これまで以上に論理的思考力・発信力や語学力が問われるようになり、大きな変化となります。
まだ現時点では予測がつかない部分もあるため、大学まで附属になっている私立校を選ぶ傾向が増えていると考えられるかもしれません。
ただし、国公立・難関大学への合格者増など、大学合格実績が伸びた年の次の検査では、その学校の倍率が上がる傾向がみられます。
最終応募倍率 | |||||
---|---|---|---|---|---|
学校名 | 平成30年度 | 平成29年度 | 平成28年度 | 平成27年度 | 平成26年度 |
小石川 | 6.70 | 6.44 | 6.57 | 5.69 | 6.45 |
白鷗 | 7.37 | 6.57 | 6.81 | 7.11 | 7.68 |
両国 | 6.43 | 6.83 | 8.36 | 8.71 | 9.08 |
桜修館 | 5.82 | 6.18 | 6.71 | 7.11 | 9.18 |
富士 | 5.03 | 5.44 | 4.94 | 5.26 | 5.68 |
大泉 | 7.10 | 6.74 | 7.31 | 7.46 | 8.03 |
南多摩 | 5.26 | 4.92 | 5.59 | 5.54 | 6.29 |
立川国際 | 4.99 | 5.68 | 5.55 | 6.38 | 6.18 |
武蔵 | 4.46 | 4.45 | 4.86 | 4.94 | 4.73 |
三鷹 | 5.98 | 6.10 | 6.63 | 7.13 | 7.33 |
平成31年度募集について
平成31年度の入学者決定に関する詳細が、都教委より発表されています。(6月28日時点)
募集枠のなかで大半を占める一般枠について、下記にまとめましたのでご参照ください。
例年の検査日が日曜日ですが、平成31年度もそのまま2月3日(日)に実施されることになっています。
平成31年度 | ||||
---|---|---|---|---|
学校名 | 募集人員(一般枠) | 検査方法 | ||
男 | 女 | 計 | ||
小石川 ※ | 80 | 80 | 160 | 報告書・適性検査(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) |
白鷗 ※ | 68 | 68 | 136 | 報告書・適性検査(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) |
両国 | 60 | 60 | 120 | 報告書・適性検査(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) |
桜修館 | 80 | 80 | 160 | 報告書・適性検査(Ⅰ・Ⅱ) |
富士 | 60 | 60 | 120 | 報告書・適性検査(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) |
大泉 | 60 | 60 | 120 | 報告書・適性検査(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) |
南多摩 | 80 | 80 | 160 | 報告書・適性検査(Ⅰ・Ⅱ) |
立川国際 | 65 | 65 | 130 | 報告書・適性検査(Ⅰ・Ⅱ) |
武蔵 | 60 | 60 | 120 | 報告書・適性検査(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) |
三鷹 | 80 | 80 | 160 | 報告書・適性検査(Ⅰ・Ⅱ) |
※ 一般枠の募集人員は、特別枠募集において入学手続きした人員を差し引く
学校によって、文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」、東京都「英語教育推進校」などの指定を受けているところもあり、校風も様々です。ぜひお調べになってみてください。
□都立小石川中等教育学校(文京区)
http://www.koishikawachuto-e.metro.tokyo.jp/site/zen/
□都立白鷗高等学校附属中学校(台東区)
http://hakuo.ed.jp/web/
□都立両国高等学校附属中学校(墨田区)
http://www.ryogoku-fuzoku-c.metro.tokyo.jp/site/zen/
□都立桜修館中等教育学校(目黒区)
http://www.oshukanchuto-e.metro.tokyo.jp/site/zen/index.html
□都立富士高等学校附属中学校(中野区)
http://www.fuji-fuzoku-c.metro.tokyo.jp/site/zen/
□都立大泉高等学校附属中学校(練馬区)
http://www.oizumi-h.metro.tokyo.jp/main/index.html
□都立南多摩中等教育学校(八王子市)
http://www.minamitamachuto-e.metro.tokyo.jp/site/zen/
□都立立川国際中等教育学校(立川市)
http://www.tachikawachuto-e.metro.tokyo.jp/site/zen/
□都立武蔵高等学校附属中学校(武蔵野市)
http://www.musashi-fuzoku-c.metro.tokyo.jp/site/zen/
□都立三鷹中等教育学校(三鷹市)
http://www.mitakachuto-e.metro.tokyo.jp/site/zen/